読売新聞の一月十三日朝刊によれば、「外務省がパスポート(旅券)のデザイン変更を検討し始めた」という。しかし、これは「出入国印などが押される各ページに、富士山など国内の名所旧跡を印刷する案など」であって、それが必要なら工夫されてもよいかもしれない。
ただ、皇室の「菊の紋章」と同じ表紙デザインの菊紋は、今回対象となっていない。これは今後も変更されないことを強く要望しておきたい。
外務省の史料などによれば、現行のような手帳型旅券の表紙に菊紋が初めて採用されたのは大正十五年(一九二六)正月。それが敗戦後に占領下で廃止され、昭和二十六年(一九五一)十一月、講和独立に備えて新旅券法のもとで表紙に国が菊紋の使用を決め、今に至っている。
これは新憲法下でも「天皇は日本国の象徴」と定められ、天皇(皇室)が日本国を対外的に代表されているのだから、そのシンボルとして最もふさわしい。菊花の紋様は太陽光をも表し「日の丸」でもあるとみられる。
(一月十四日記)