(1)「日本のソフトパワー」再発見



平成23(2011)年3月11日午後2時46分、あの東日本大震災が突発してから満2年。まさに未曾有の大惨事で、被災された方々の悲しみ苦しみは、容易に消えないであろう。ただ、あの時あの日から発揮された日本人の思いやり助け合いは、「日本人の底力」といえるかもしれない。

それを直ちに示された最高のお手本が、今上陛下と皇后さまの御活動である。その一端をまとめられた川島裕侍従長の貴重な手記「両陛下の祈り<厄災からの一週間>」「両陛下被災地訪問の祈り」(『文藝春秋』誌既載)が、最近『日本が震えた皇室の肉声』(文春ムック)に再録された。
先般(2月23日)宝塚教養学校の公開講演会「日本人の底力再発見」で、その要旨を「皇室に学ぶ大切なこと」と題して話した。その際、植村和秀著『日本のソフトパワー:日本の<復興>が世界を動かす』(昨年9月、創元社、1600円)も紹介した。

植村教授は、私より25歳も若い壮齢(46歳)だが、京都産業大学の法学部在職中に20年近く色々のことを教えてもらった。欧米と日本の政治思想史などに精通する同氏は、構想のスケールが大きく、難しい問題を易しく解き明かす。

本書によれば、ソフトパワーとは「人間で言えば・・・人柄の魅力と信用のようなもので・・・国家ならば・・・文化や理想の政策などをひっくるめて、国柄の魅力や信用によって相手を動かすこと」である。その実践例が、奇しくも大震災で再発見された日本人の「思いやり助けあい」の底力にほかならない。

(3月4日記)

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