※添付は8月22付『毎日新聞』pdfです
二十五年近くかけた宮内庁編『昭和天皇実録』(全六十一冊一万二千頁)が完成し、昨二十一日、天皇陛下に奉呈された。概要の報道は来月中旬、全二十巻としての公刊は来春から数年を要するという。まことにありがたいことである。
私は近現代史に疎いが、昭和天皇を身近に感じ心から敬仰してきた。とくに百年前の大正三年(一九一四)から七年間の東宮御学問所における特別教育は、その後「摂政」「統治権の総覧者」「国民統合の象徴」として六十七年余り誠心誠意お勤めを果たされた基盤とみられる。その実情がどのように記録されているか、強い関心をもっており、ぜひ第一巻から精読したいと念じている。
なお、戦前に宮内省で編纂された『天皇・皇族実録』は、神武天皇から孝明天皇までの膨大な編年実録である。その成立過程を検証した拙稿が、京都産業大学の『産大法学』四十巻一号(平成十八年)に掲載され、ネット上にpdfで公開されている。また、編著『昭和天皇の学ばれた教育勅語』(勉誠出版・新書)や監修『初心者にもわかる昭和天皇』(メディアックス・ムック)は、安価で平易な入門書であり、よろしければご参照賜りたい。
(八月二十二日記)