『歴史研究』の巻頭随想をHPに加筆掲載



『歴史研究』の巻頭随想をHPに加筆掲載

かんせいPLAZA主筆 所  功

 日本史関係の雑誌は、現在も全国的な学会や大学の史学科などから、研究者向けの学術刊行物として数多く出ている。とりわけ日本歴史学会編『日本歴史』(吉川弘文館)には、専門的な論考だけでなく多様な情報を盛り込む編集の工夫が行き届いており、私も毎月愛読している。

しかし、より幅広い歴史ファンを対象にした月刊誌は、かって好企画を競いあった『歴史読本』(新人物往来社)・『歴史と旅』(秋田書店)・『歴史公論』(雄山閣)・『歴史と人物』(中央公論社)は、いずれも姿を消して久しい。辛うじてPHP研究所偏『歴史街道』やKKベストセラーズ偏『歴史人』のような写真中心のムック誌を店頭で見かけるが、往時には較ぶべくもない。

ところが、全国の歴史愛好家たちに呼びかけて、昭和三十三年(一九五八)設立された歴史研究会の会員制雑誌『歴史研究』は、はじめ新人物往来社に事務局を置き、ついで吉成勇主幹の立ち上げた合資会社の歴研で編集を続け、さらに主幹の長逝後も昨年五月から戎光祥出版に受け継がれている。

本誌が六十年以上も続きえたのは、歴代の編集関係者が献身的に尽力し、全国の定期購読者が投稿にも普及にも協力してきたからであろう。現在は井守窪剛(近く50歳)編集長のもとで毎号タイムリーな特集を組み、新会員にも好評をえている。

この『歴史研究』に、私は故吉成主幹より依頼されて、平成三十年(二〇一八)九月号から「巻頭随想 今伝えたいこと」をボランティアで連載してきた。その十四回分は拙著『日本学ひろば88話』(コミニケ出版)に収めたが、それ以後の分も来年十二月ころ出す予定の『未刊論考デジタル集成』第五期分に入れたいと考えている。

ただ、それまでの間にも、『歴史研究』購読者以外の方々に「今伝えたいこと」を知ってほしいと思い、ホームページ(tokoroisao.jp)に順次掲載することにした。その原稿は、約二ヶ月以上も前に書き、約一ヶ月前までに手直しのうえ校了とするが、発行時点で若干の補訂を要することも少なくない。それゆえ、本誌掲載文のワードデータに加筆して収載するから、単なる転載ではないが、これも本誌のPRにいささかなりとも役立てば幸いである。

(令和四年二月一日〈旧暦正月一日〉発信)

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