皇室は一統、皇族は一体でこそ永続可能に
京都産業大学名誉教授、所 功 (83)
政府と国会で進行中の皇室制度論議に、至急再考を求めたい。
オンリーワンの皇室には、もともと氏姓が無く、男系女系の区別も無い。史実としては、皇位を皇族男子が多く継承してきたから、振り返れば男系のごとく見えるが、明治以前は女系も女帝も否定してきたわけではない。
したがって、皇族男子と結婚する一般女子の名字が、皇籍に入って消えるのと同様、法改正により、一般男子も皇族女子と結婚して皇族となるようにすれば、その名字も皇籍では消えて無くなる。そうすれば、子も皇族だから名字が無い。皇室は内廷も宮家も家族一体でこそ、万世一統の永続が可能になろう。
それにも拘らず、皇族女子が結婚後も皇室に残る場合、その夫も子も一般国民のままとすれば、身分の異なる家族が同居することになり、そんな夫や子は、皇族として待遇されず公務も分担できない。
私は、一般国民も夫婦と親子は同氏が相応しいと思っている。まして皇室は、天皇のもとに同一身分の全皇族が、一致協力して公務に精励されやすい法制度にしなければならないと考えている。 (令和七年五月三十日)