佳辰の新春を寿ぎ、応分の役割に励みます 所 功(82)
このHpは、平成二十五年(二〇一三)三月、橋本秀雄氏らの協力により開始してから十一年目を迎えました。本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年十二月十二日、私は満八十二歳となりました。年相応に不如意なことも少なくありませんが、家で妻を介護しながら、為しうることのいくつかに取り組んでいます。そのひとつが、自分の生い立ちと体験に関係の深い人々と出来事について、できるだけ正確な記録を纏め、子孫に伝えることです。
とくに自分を生み育ててくれた両親のこと、その双方の先祖について資料や伝聞を集め記すことです。NHKテレビの「ファミリー・ヒストリー」を視ても、実系であれ養縁であれ、両親と歴代の先祖なしに今の自分はありえない、と実感し感謝するほかありません。(貼付A参照 A )それは身内だけでなく、学校・職場や様々な機会に出会った人々についても、各々の主要な想い出を記録しておく必要があります。
ちなみに、昨年十二月初め、五年前に他界されました恩師田中卓先生の生誕百年を記念して「田中博士に学ぶ集い」を大阪で催しました(貼付B参照 B )。この機会に半年余りをかけて、先生の著作集・評論集等および日本教師会の会報十数年分などを粗々読み返し、また六十数年前から身近に教えて頂いたことなどを可能な限りメモしましたが、残念ながら全体像の理解には程遠い状況です。
その「学ぶ集い」でも話題になりましたが、先生の伊勢のお宅には、毎年元日から歳末まで注連飾りの木札に「史不断書」と揮毫されていました。周知のごとく、出典は『古事記』の序文(太安万侶作)にあり、「史(歴史家)は絶えず書す(記録する)」と訓む。
これをあえて翻案すれば、私どもは(狭義の歴史家でなくても)、現代の主要な出来事や有縁の人々について記録し、後世に伝える役割を不断に果たさなければならない、ということだと解して、生涯その努力を続けようと思います。